HON DE SELECTION 書店員さんオススメの一冊
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』
今月のオススメ本
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』
ブレイディみかこ/著
新潮文庫
737円
多様性に富んだ元底辺中学校の日常
家族で読みたい一生モノの課題図書
タイトルを直訳すると「ぼくは黄色人種で白人で、ちょっと憂鬱」。本書は著者の息子である「ぼく(日本とアイルランドのハーフ)」が英国の中学校に入学し、様々なトラブルを通して成長していく過程を綴ったノンフィクションです。ぼくが通い始めた元底辺中学校のクラスメイトは、人種差別丸出しの美少年やアフリカからの移民、ジェンダーに悩む子など多種多様。まるで「世界の縮図」のような校内では万引きや暴力、政治的対立など、毎日のように事件が起こります。パンクな母ちゃんと共に悩み、考え、少しずつ大人の階段を昇っていくぼく。「多様性は、うんざりするほど大変だし、めんどくさいけど、無知を減らすからいいこと」という母ちゃんの言葉は、無知を自覚することが偏見を無くす第一歩だと教えてくれます。読書の秋を前に、文庫本でぜひご一読を。
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宮脇書店 今治本店
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